OwnersBookエクイティ型ファンドの対象ビルは今
OwnersBookのエクイティ型ファンド1号として募集された秋葉原シグマビル(旧秋葉原成信ビル)案件は募集から2年が経過しました。
コロナショックを経た現時点の秋葉原シグマビルがどうなっているかを調査しました。
募集当時は空室だった1階と4階にテナントが入り、一時は満室運営されていました。
ところが、2020年8月22日の調査では、7階が即入居可能で空室、8階が2020年9月入居可能で空室見込み、4階が2020年12月入居可能で空室見込みと3室が空く状況になっています。
空室が相次いでいることにはコロナ禍の影響があるのではないかと考え、原因と今後について調査しました。
秋葉原シグマビルファンドの募集概要
募集当時のファンド概要をまとめます。
募集額 | 2億6500万円 |
募集開始 | 2018年8月10日 |
予定利回り | 7.0% |
運用期間 | 2年11ヶ月 |
最低投資額 | 50万円 |
- 物件:秋葉原成信ビル 東京都千代田区神田須田町1-7-8
- 構造:地上12階建
- 最寄駅:東京メトロ銀座線・神田駅 徒歩2分
万世橋のやや南、中央通りと靖国通りが交わるところにあり、大通り沿いということもあり、歩行者や車からの視認性は高い立地になっています。

秋葉原シグマビルの賃貸状況
ファンド募集当時は12フロア中10フロアを9社に賃貸中で、1階店舗及び4階事務所が空室(稼働率は86%、2018年8月1日現在)でした。
その後の賃貸状況を追っていきます。
2018年〜2019年の状況
2018年11月30日に現地を確認したところ、4階事務所は入居済みで、1階店舗部分はテナントを募集していました。

空室だった4階は東京オフィス検索では21.57坪が431,400円/月、坪単価20,000円で募集されていました。
その後、1階には秋葉原中央通診療所が入居し、2019年10月1日に開院しました。
2020年8月の状況
現在の賃貸状況を調べるために 仲介手数料無料の賃貸オフィス探し「officee」で秋葉原シグマビルを検索しました(https://officee.jp/catalog/秋葉原シグマビル/41451/)。
階数 | 坪単価(共益費込) | 入居可能日 |
4 | 22,000円 | 2020年12月 |
7 | 22,000円 | 即入居可能 |
8 | 13,000円 | 2020年9月 |
上記の通り3室が募集中、7階はすでに退去しており、即入居可能な状態、4階は2018年後半に入居したので約2年で退去になってしまいます。
理由は不明ですが、8階だけ他と比べて明らかに賃料の坪単価が安くなっており、その他の階も空室を埋めるために賃料交渉の末、坪単価が低下する可能性があります。
コロナ禍のオフィス需要の変化
オフィスの入居・退去は通常でも起こりうることですが、立て続けに退去があった背景としてコロナショックの影響は無視できないと思います。
ロイターの記事"訂正-焦点:コロナで崩れる東京オフィス需要、淘汰選別が静かに進行"(https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-japan-work-idJPKBN25H07N)では、渋谷を例にコロナ禍によるオフィス需要の減退が顕在化し始めたと伝えています。
素早い意思決定が可能な小さめの企業からオフィスを去る動きが出ているようです。
この点、秋葉原シグマビルは1フロア20坪程度の小規模オフィスであるため比較的小さな企業が入居する可能性が高くなります。
コロナ禍のためにリモートワークが進めば、特に少人数の企業は賃貸オフィスを引き払って自宅やその時々に都合の良いレンタルオフィスを利用するスタイルに移行するかもしれません。
ただ、小規模オフィスはこれまで中規模・大規模オフィスを利用していた企業が賃料を抑える目的で引っ越してくる可能性もあり、やはり立地と周辺環境の良さはアピールポイントになり続けると考えます。
秋葉原シグマビルは駅からも近く、周辺に店舗も多数存在するので極端に需要がなくなることはないと予想します。
まとめ
OwnersBookのエクイティ型ファンド(秋葉原シグマビル)は毎年9月末に運用報告があります。
来月末にどのような運用報告があるのかを楽しみにしつつ、募集中の空室が早期に契約され、安定した運用がなされることを祈ります。