CREAL グローバルキッズ西大井園ファンドのポイント
10月13日募集開始のCREAL新規ファンドは品川区西大井に所在する保育園「グローバルキッズ西大井園」が対象不動産です。
CREALではこれまでに、さくらさくみらい駒込、関町北保育園、ココファン・ナーサリー旗の台といった保育園ファンドを組んだ実績があり、既に償還を迎えたファンドもあります。
グローバルキッズ西大井園の土地・建物の評価、保育園需要、交通利便性を調査してファンドの安全性を評価しました。
ポイント
- 募集額3.6億円超の大型案件なので、投資チャンスが大きい
- 劣後出資比率約10.1%の優先劣後構造のため元本の毀損リスクが小さい
- 最寄駅まで徒歩3分の好立地で、駅の利用者数も増加傾向である
- 品川区の保育園需要は高いと考えられ、運営者も教育分野での実績がある
注意
- 最寄駅の西大井駅は東京都区内のJR駅の中では8番目に利用者が少ない
- 実質利回りはほぼ想定利回りと同じでゆとりは持たせていない
管理人の評価
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ファンド募集概要
グローバルキッズ西大井園ファンドの概要は以下のとおりです。
管理人はCREALに会員登録済みですが、以降は登録をしなくても閲覧可能な範囲の情報に基づいて記載しています。
ファンド総額 | 4億700万円 |
募集金額 | 3億6600万円 |
優先:劣後 | 89.9:10.1 |
想定利回り | 4.2% |
運用期間 | 12ヶ月 |
初回配当日 | 2020年12月31日 |
今回のファンドの対象となる保育園はすでに完成・運営されているためココファン・ナーサリー旗の台ファンドのような初回配当日が遅いというデメリットはありません。
その分、想定利回りは控えめですが、最近の不動産投資クラウドファンディングとしては十分な利回りを確保しています。
賃料と利回りの評価
ファンド総額・募集金額を基準として、保育園の賃料(170万円/月、2040万円/年)から表面利回りを、年間費用(約468.9万円)を差し引いた実質収入(約1571万円)から実質利回りを算出しました。
基準 | 表面利回り% | 実質利回り% |
ファンド総額(4億700万円) | 5.01 | 3.86 |
募集金額(3億6600万円) | 5.57 | 4.29 |
ファンドの想定利回り4.2%に対して、募集金額を基準とした場合はこれをわずかに上回りましたが、ファンド総額を基準とした実質利回りは3.86%と4.2%を下回る結果になりました。
CREAL(ブリッジ・シー・キャピタル)の利益が出るのか心配になりますが、本物件の売買にかかる報酬や管理手数料でまかなわれると考えられます。
対象不動産の評価
グローバルキッズ西大井園の立地・最寄駅の利用状況の調査、路線価からの対象不動産の土地価格の推定を行い、比較しました。
最寄駅の利用状況
最寄駅はJR(横須賀線・湘南新宿ライン・相鉄線直通)「西大井駅」で徒歩3分という好立地です。
西大井駅の利用状況や都内主要駅へのアクセスを調査しました。
乗車人員数(2019年) | 16,028人 |
5年前比増減 | 106% |
東京駅へのアクセス | 13分(乗換0) |
品川駅へのアクセス | 15分(乗換0) |
新宿駅へのアクセス | 5分(乗換0) |
※各駅へのアクセスは平日朝8:00出発基準で調査しました。
西大井駅の2019年の1日あたり乗車人員数は約16,000人、5年前比利用者数は約106%と増加傾向が見られました(ただし、東京都区内のJR駅の中では8番目に利用者が少ない)。
都内主要駅へのアクセスはいずれも乗換不要で15分以内と非常に優れています。
2019年11月30日より相鉄・JR直通線が運行開始し停車駅となったため、今度の利用者増加が期待されます。
土地の評価額
グローバルキッズ西大井園の土地の相続税路線価を1.25倍した(0.8で割った)推定価格から土地の評価額を算出しました。
住所 | 東京都品川区西大井6-6-2 |
敷地面積 ㎡ | 386.74㎡ |
路線価 万円/㎡ | 46万円 |
路線価×1.25 万円/㎡ | 57.5万円 |
推定土地価格 | 2億2238万円 |
推定の土地価格は2億2238万円と算出されましたが、実際の取引価格はこれよりも高くなっています。
建物の評価額
対象不動産の延床面積は560.53㎡、構造は鉄骨造3階建です。
国土交通省が発表した2019年建築着工統計調査から、学校教育用の鉄骨造建物の㎡あたり工事予定額から単価を算出したところ、27.9万円/㎡となりました。
竣工は2014年2月の築7年、鉄骨造の耐用年数は34年であることから、
560.53 × 279,000 × (34-7) / 34 = 124,190,367
よって、建物の評価額は約1億2419万円と計算されました。
土地と建物の合計額は約3億4657万円は、募集額3億6600万円の94.7%に相当します。
保育園の需要と魅力
品川区の保育園需要とグローバルキッズ西大井園の魅力を調査しました。
保育園の需要
2019年の品川区の就学前児童数は20,608人、そのうち保育サービス利用者数は11,126人(54.0%)、待機児童数は12人となっています。
5年前(2014年)に比べて就学前児童数は約2,700人増加、保育サービス利用者数は約3,600人増加、待機児童数は116人減少しています。
(東京都福祉保健局HPより https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/hoiku/hoikuriyoujyoukyou.html)
品川区内の2020年4月認可保育園の入園状況を確認すると、最も入園倍率が高くなる1歳児は定員割れをした保育園はありませんでした。
(品川区HP 認可保育園等の入園状況(指数)について https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kodomo/kodomo-hoyou/kodomo-hoyou-hoikuen/hpg000028968.html)
以上の状況から、就学前児童数および保育サービス利用者数の増加、隠れ待機児童の存在から、保育園の需要は高いと考えられます。
グローバルキッズ西大井園の魅力
対象の保育園を運営する(株)グローバルキッズは、東証一部上場企業の(株)グローバルキッズCOMPANYのグループ会社であり、「グローバルキッズ」ブランドで保育事業や学童事業、児童発達支援事業を行っています。
2020年7月1日時点で、176施設を運営していることから、教育分野での実績は保育園の選択においてプラスに働くことは間違い無いでしょう。
まとめ
CREALから新規募集される保育園ファンド「グローバルキッズ西大井園」を査定評価しました。
- 劣後出資比率10.1%、利回り4.2%は十分に魅力がある
- CREAL自身の運用利回りは少なく、売買の報酬や管理手数料で利益を賄う
- 保育園需要の高いエリアで、運営者は保育事業分野に実績がある
- 最寄駅の利用者は増加傾向も、利用者数は多くない