CRE物流ファンド10号厚木愛川のポイント
2月25日19:00から募集開始のCRE Funding 10号ファンドは神奈川県愛甲郡愛川町に所在する物流倉庫が対象不動産です。1〜4号ファンドのリファイナンスに至った経緯を調査し、CRE Fundingの1周年記念キャンペーンも実施中の新規ファンドの魅力を紹介します。
ポイント
- 株式会社シーアールイーの保証付
- 賃貸契約はマスターリースで賃料を確保
- 1〜4号ファンドに無かった担保あり(第二順位の根抵当権設定仮登記)
- 圏央道・相模原厚木ICの整備により流通拠点として優れたエリア
注意点
- CRE 物流ファンド1〜4号のリファイナンス案件
- 1号ファンド当時からあった遵法性懸念箇所は存在したまま
管理人の評価
募集概要 1〜4号ファンドとの比較
CRE物流ファンド10号厚木愛川はCRE 物流ファンド1〜4号のリファイナンス案件です。そこで、過去募集分と10号のファンド概要を比較しました。
ファンド | 1〜4号 | 10号 |
募集額 | 合計1億円 | 8700万円 |
利回り | 2.5〜3.0% | 2.5% |
配当 | 3ヶ月毎 | 6ヶ月毎 |
担保 | 担保なし | 担保あり |
保証 | 保証あり | 保証あり |
賃貸契約 | マスターリース | マスターリース |
10号ファンドの元本毀損リスクの低減策としては株式会社シーアールイーの保証が付いているのに加えて、第二順位ではありますが根抵当権設定の仮登記がされています。
保証する株式会社シーアールイーは2009年12月に設立、東証一部上場企業(証券コード:3458)であることから信用の高い企業と考えます。同社の株価は2016年1月時点では約570円(株式分割の調整後の額)、2021年2月1日時点では1266円とおよそ2.2倍に上昇しています。
リファイナンスの経緯と展望
10号ファンドのスキームです。
リファイナンスの経緯
厚木愛川1〜4号ファンドの公開当初から対象不動産には遵法性懸念事項がありました。そのため、事業計画では
(要約)遵法性懸念事項について運用期間中に是正を行い、CREグループが運用する別ファンドに売却して返済する。運用期間中に当該是正が行われない場合は、株式会社シーアールイーへ譲渡する予定。
となっていました。この点について10号ファンドのリファイナンスの説明を要約すると
(要約)遵法性懸念箇所について運用期間中に是正を行いCREグループが運用する別ファンドへの売却を予定していた。現エンドテナントと是正に向けた協議を重ねているが、期日までの是正が困難であると判断されることから、リファイナンスによって現状のまま運用を継続することとした。
とのことで、現在でも遵法性懸念箇所の是正はできておらず、この場合は株式会社シーアールイーに譲渡するはずでしたが予定変更となりました。スキーム図からわかるように、ファンドの貸付先「合同会社厚木愛川」とCREの間でマスターリース契約を結んでいるので、CREに譲渡してもエンドテナントへの影響は小さく、これまで通りの運用が可能と思われますが、今回の方針になりました。
リファイナンス案件に出資するか
ここからは管理人の想像ですが、この状況でリファイナンスを選んだのは1〜4号ファンドの運用が順調であり、ファンドもすぐに満額成立した実績から投資家の関心が高いことがわかったためではないかと思います。現に、10号ファンドの事業計画を要約すると、
(要約)運用期間中に上記遵法性懸念事項の是正を行い、CREグループが運用する別ファンドへの売却を予定しているが、運用期間中に当該是正が行われない場合は、自己資金、もしくはクラウドファンディングによるリファイナンスによって借入金の返済を行う予定。
と、この先もクラウドファンディングによる資金調達の可能性があることに言及しています。逆に考えれば、厚木愛川の倉庫は長期にわたり安定して運用可能と判断されているのではないかと推測しました。
よって、10号ファンドのリファイナンスは問題なしと考えます。管理人は厚木愛川2号ファンド(利回り2.5%)に出資しており、偶然にもその出資額とデポジットの残高がほぼ同じなので出資申込を予定しています。
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対象不動産の調査
本ファンドの対象不動産である厚木愛川倉庫を調査しました。
所在地 :神奈川県愛甲郡愛川町中津字大塚下6760番1
敷地面積:1,887.80㎡
延床面積:998.91㎡
竣工時期:1998年11月
構造 :鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺平家建
立地と周辺環境
厚木愛川倉庫は圏央道 相模原愛川 ICより約4.0kmと東京都心及び関東主要地域へのアクセスが良好です。Google Mapsで現地を確認すると、周辺に物流企業が複数あることから物流拠点として需要があるエリアであることが推測できます。
土地の評価額
愛川町中津に所在する大正不動産の接する道路の令和2年相続税路線価(計算には路線価÷0.8を使用)と対象不動産から2軒隣の令和2年の基準地価(基準値番号愛川9-1)から対象不動産の土地の評価額を算出しました。
敷地面積(㎡) | 1,887.80 |
路線価(万円/㎡) | 3.90 |
路線価÷0.8(万円/㎡) | 4.875 |
推定土地価格① | 9203万円 |
2020年地価調査(万円/㎡) | 4.98 |
推定土地価格② | 9401万円 |
路線価から算出した土地価格と地価調査から算出した土地価格に大きな差はなかったので、土地評価額は平均をとって9302万円程度と推測しました。これは今回の募集額8700万円を上回るものです。ただし、返済順位一位のシニアローンが7100万円あるため、土地評価額のみでの返済はできません。
CRE Fundingが公表した評価額
10号ファンドでは対象不動産の評価額が公表されています。株式会社九段都市鑑定による2021年2月28日時点の評価額は1億9900万円です。本ファンドの貸付金額8700万円は評価額の43.7%に相当し、上述のシニアローンを含めてLTV=79.4になります。
1〜4号ファンドでは担保がありませんでしたが、10号ファンドは担保として根抵当権設定仮登記があるため評価額の公表は重要です。
まとめ
CRE Fundingから新規募集される物流ファンド1号厚木愛川を評価しました。
- 募集額8700万円、利回り2.5%、運用期間約12ヶ月
- 東証一部上場企業の株式会社シーアールイーの保証付
- 1〜4号ファンドに無かった担保が追加
- 物流拠点として優れた立地・交通網
- マスターリース契約により安定した賃料収入が期待できる
- リファイナンス案件であるが、運用に問題はないと考えられる
以上より、すでに出資している2号ファンド分を運用するために出資申込を予定しています。