OwnersBook 商業ビル底地&区分ファンドのポイント
OwnersBookで11月20日から新規募集される商業ビル底地&区分ファンドを調査しました。
ポイント
- 物件①-1は複数の鉄道路線にアクセス可能で、商業地としても魅力的なエリア(最寄駅は東武伊勢崎線・東向島駅と予想)
- 物件①-2は主要駅へのアクセスが良く(最寄駅は東京メトロ銀座線・末広町駅と予想)、賃貸の店舗は現在稼働率100%
- 予定利回り5.0%
- 東京のオフィス需要は衰えておらず空室率は低い値を維持
注意ポイント
- 物件①-1の担保評価が難しい
- 物件①-2は抵当権第二順位のメザニンローン
OwnersBook ファンド概要
募集額 | 1億8010万円 |
募集開始日時 | 2018年11月20日 |
予定利回り | 5.0% |
運用期間 | 19ヶ月 |
最低投資額 | 1万円 |
貸付先1
物件 :東京都千代田区外神田 底地(物件①-1)、東京都墨田区東向島 区分所有店舗・事務所(物件①-2、1979年築)
貸付額:1億8000万円
種別 :①-1=シニアローン、①-2=メザニンローン
貸付先:設立3年超の不動産保有会社
評価額:物件①-1:1億4200万円、物件①-2:2億4800万円 (1億8000万円はそのうち46.2%)
担保 :物件①-1及び物件①-2を共同担保とする債権額18,000万円(1億8,000万円)の抵当権、物件①-1は第一順位、物件①-2は第二順位
備考 :①-1:2008年3月築の借地権付き建物(商業ビル)が存在、①-2:区分所有12区画(うち3区画は自己使用)の稼働率は100%
貸付先2
物件 :東京都文京区本郷 マンション一室
貸付額:10万円
種別 :メザニンローン
貸付先:設立3年超の総合不動産会社
査定額:2340万円 (10万円はそのうち0.43%)
担保 :極度額1000万円の根抵当権(第二順位)が設定、既に560万円の貸付を実行済、11月中に20万円を貸付、本案件で10万円の追加貸付を予定
物件&立地調査
東京都千代田区外神田(物件①-1)は、JR山手線をはじめとして複数の路線を利用できる商業地域です。
物件①-1は東京メトロ銀座線へのアクセスが至便とのことなので、末広町駅近辺の物件と考えられ、店舗・事務所として需要があると考えられます。
評価額は1億4200万円となっていますが、土地面積が不明であるため評価額の妥当性は検証困難です。
なお、千代田区外神田の土地価格を調査したところ、坪単価800万円前後であったことから物件①-1は約18坪(約60㎡)の土地ではないかと考えます。
東京都墨田区東向島(物件①-2)は、東武鉄道伊勢崎線(スカイツリーライン)が利用できる商業・住宅混在エリアで、その住民向けサービスの店舗・事務所として安定的な需要が見込まれています。
東向島エリアで東武鉄道伊勢崎線(スカイツリーライン)へのアクセスが至便とのことなので、曳舟駅ではなく東向島駅に近いと考えられます(曳舟駅であれば、京成押上線もアクセス便利と紹介されるはず)。
東向島駅駅周辺の賃貸店舗・事務所を調査したところ、①-2と同じく1979年築の商業ビル「東向島ステーションプラザ」の1階部分店舗が坪単価1万242円(共益費含まず)で賃貸募集されていました。
階数の違いは考慮しなければなりませんが、OwnersBookの評価では新規月額賃料の坪単価は9,400円程度は妥当な評価であると判断します。
東京のオフィス需要についてのニッセイアセットマネジメントのレポートを引用します。
依然としてビジネス地区のオフィス空室率は低い状態が続いているようです。
10月時点の東京ビジネス地区の平均空室率は、前月より0.13ポイント低下の2.20%となり、一段と改善。
ビジネス地区は、空室率の低下を背景に、ビルオーナーが募集賃料を引き上げる流れが継続。
企業の移転やオフィスの拡張需要は旺盛。既存ビルの空室募集も出にくく、賃料は上昇傾向をたどるか。
出典:ニッセイアセットマネジメント マーケットレポート(2018年11月14日) https://www.nam.co.jp/news/mpdf/18114_tj.pdf
まとめ
物件①-1、①-2はいずれも商業ビルとして需要の高いエリアに位置していると考えます。
①-1に関しては評価額の裏付けができませんでしたが、①-2の月額賃料は妥当な評価であることを確認しました。
①-2はメザニンローンですが、利回り5.0%であることやオフィス・店舗需要が衰えていないことから、1億8000万円の大型案件ではありますが、比較的早期に満口になると予想します。