プロジェクト一覧
2018年も終わろうとしていますが、これからの大阪には大きなイベントが待ち構えています。
2019年はラグビーW杯開催(東大阪市花園ラグビー場が会場のひとつ)、2020年には大阪も名乗りを挙げている統合型リゾート(IR)第1号の開業見込み、2025年には大阪万博開催と立て続けてに大きな動きがあり、それを見越して様々な開発プロジェクトが計画されています。
ということで、不動産価格の予測や立地調査の一環として都市開発プロジェクトを調査し、概略をまとめました。
プロジェクト一覧
- うめきたプロジェクト
- 夢洲まちづくり構想
- 大阪城東部地区まちづくり
うめきたプロジェクト
うめきたプロジェクトはJR大阪駅北側の梅田貨物駅区域約24ヘクタールを開発するプロジェクトで、既に1期として約7ヘクタールの開発が完了しており、「グランフロント大阪」が開業しています。
2期は「みどりとイノベーションの融合拠点」を目標とし、1期に引き続き開発事業者代表の三菱地所が「希望の杜」をコンセプトとした街づくりを計画しています。
区域全体を「北街区」「都市公園」「南街区」の3エリアに分け、中心に4.5ヘクタールの都市公園を整備する構想で、「みどり」を意識した再開発となっています。
2025年の大阪万博を見据え、2024年の先行街開きを目指しているとのことで、観光等で大阪に来る人も、大阪に住んでいる人も注目のスポットになることは間違いないと思います。
参考資料:うめきたプロジェクト事業パンフレット(UR都市機構)、SUUMO新築マンション 関西2025未来予想図
夢洲まちづくり構想
夢洲エリアは大阪駅周辺地区と両輪となる成長戦略拠点として、今後とも重点投資することが計画されています。
既に開発が進んでおり、2013年11月にはメガソーラー施設が運用開始、2002年から夢洲コンテナターミナル(物流)が稼働しています。
さらなる夢洲開発計画として2016年12月に施行されたIR推進法で統合型リゾートに名乗りを挙げており、2018年11月には2025年大阪万博が夢洲で開催されることが決まりました。
これに合わせて、民営化された大阪メトロは中央線を延伸して夢洲駅(仮称)を新設、その新駅に高さ約275メートル(55階建)の高層タワービルを2024年度中に整備する構想を公表しました。
構想では、低層階を商業施設、中・高層階をオフィスやホテルとし、最上階に展望レストランを設置することになっています。
交通需要が増えることを想定し、中央線に295億円をかけて新車両を投入し、本数を増やすことも計画されています。
中央線には次に紹介する大阪城東部地区があるため、中央線の活性化は東西の開発拠点にとって良い影響があると推測します。
大阪城東部地区のまちづくり
大阪城周辺は大阪城公園駅前施設「JO-TERRACE」、大阪城天守閣横コンプレックス「MIRAIZA OSAKA-JO」、大阪城公園の森ノ宮駅前エリアの整備(カフェや子供遊具施設など)が完了し、続いて2019年2月には劇場型文化集客施設「クールジャパンパーク大阪(仮称)」の開業が控えるなど、ここ数年の間に急速に開発が進んでいます。
そんな中、大阪城東部地区は大阪城のすぐ東側にありながら開発が十分に進んでいなかったため、市有地を活用した街づくりが検討されています。
上図の南側(下側)に位置する府立成人病センター跡地等は2014年12月に「まちづくり方針」を策定し、2018年7月には民間事業者の参画意向、市場性の有無、事業アイデア等を把握することを目的に「マーケット・リサーチ」が公募されています。
大阪府のイメージとしては既存の健康科学センターを軸に、健康増進・高齢者ケア施設・商業施設・マンション・保育施設の建設を例示しています。
北東側(右上)に位置する「もと森之宮工場+交通局検車場」と「もと焼却工場建替計画用地」については既に「マーケット・リサーチ」が完了し、マンション・大型商業施設・ホテル・大学のサテライトキャンパスなど魅力的な提案が挙がっています。
参考資料:「大阪城東部地区」のまちづくりの方向性(素案) (大阪府)、大阪市ホームページ
まとめ
紹介した3つのプロジェクトは大阪市中心である中之島から北・東・西に位置するエリアで大阪市の活性化に重要な拠点として捉えられています。
これまでの大阪の開発は、南北方向は順調(梅田、難波、天王寺は南北に伸びる御堂筋沿い)でしたが、東西の開発が遅れていると感じています。
ベイエリア(舞洲・夢洲)と大阪城周辺エリアの開発が進めば東西にも拠点が増え、大阪の活性化に資するはずです。
今後の不動産投資エリアとして東西方向へ目を向けるのも良いと考えます。