新規ファンドのポイント
OwnersBookの12月11日募集開始の豊島区オフィスビルファンドを調査しました。
ココがポイント
- JR、東京メトロ、西武鉄道、東武鉄道各駅の利用が可能でアクセスが良い
- オフィス区分所有部分の稼働率は100%
- 東京のオフィスは空室率が低下しており需要の高い状態を維持
ココに注意
- 本ファンドの募集額は対象物件評価額の15.2%であるが、シニアローンと合わせると78.8%と低くはない
- 運用期間:やや長めの31ヶ月、予定利回り:メザニンローンとしては低い4.0%
OwnersBook募集概要
募集額 | 9510万円 |
募集開始日時 | 2018年12月11日 |
予定利回り | 4.0% |
運用期間 | 30ヶ月 |
最低投資額 | 1万円 |
貸付先1
物件 :東京都豊島区池袋 オフィスビルの7階のオフィス部分(区分所有)と駐車場の共有持分
貸付額:9500万円
種別 :メザニンローン
貸付先:設立3年超の総合不動産会社
査定額:6億2300万円 (9500万円はそのうち15.2%)
担保:債権額9500万円の抵当権(第二順位)を設定
貸付先2
物件 :東京都世田谷区北沢 建物1棟
貸付額:10万円
種別 :シニアローン
貸付先:設立3年超の総合不動産会社
査定額:4370万円 (10万円はそのうち0.2%)
担保:極度額1,000万円の根抵当権(第一順位)が設定、既に230万円の貸付を実行、本案件実行時に10万円の追加貸付。
物件&立地調査
貸付先1の対象物件は東京都豊島区池袋に位置しており、JR各線、東京メトロ各線、東武鉄道東上線及び西武鉄道池袋線へのアクセスが至便とのことで、駅近物件であると考えられます(OwnersBookの評価でアクセス至便はもっとも駅に近い表現と理解しています)。
池袋は副都心としての役割があり、娯楽施設も多いことからオフィスや店舗ビルとしての需要は高いと考えられます。
1989年に建築された地下2階地上9階建の事務所・店舗・駐車場の複合オフィスビルのオフィス区分と駐車場の共有持分で、評価額は6億2300万円と査定されていますが、専有面積等がわからないため検証は難しいです。
豊島区のオフィス区分所有の価格をリサーチしたところ、㎡単価117万円の区分事務所がありました。
対象部分である当該区分所有建物のオフィス部分の稼働率は100%(2018年11月末時点)であるため、運用は順調です。
オフィス部分の現行月額賃料(共益費込)の平均坪単価は17500円程度となっており、外部専門家により査定されたオフィス部分の新規月額賃料(共益費込)の平均坪単価は21500円程度です。
やはり、近年、東京のオフィスは空室率が低下して賃料の上昇傾向が続いているようですね。
この場合は、仮にテナントが退出してもより高い賃料で募集をかけられるため、必ずしも退出=リスクとはなりません。
ただし、豊島区池袋周辺のオフィス賃料を調べたところ、池袋駅から徒歩5分圏内、1989年築オフィスの坪単価は13000円〜22000円と幅があり、平均は16250円となりました(4件の平均)。
設備や広さなどによっても賃料は変わるので一概に言えませんが、当エリアにおいては21500円の査定額は高めであると考えられます。
まとめ
本案件はメインの貸付先が抵当権第二順位に設定されたメザニンローンであり、LTV=78.8%とOwnersBookのメザニンローン案件としてはLTVがやや高めであると考えます。
運用期間が長く、メザニンローンとしては予定利回りが4.0%と低いこともあり、最近のOwnersBookのクリック合戦までにはならないのではないかと予想します。
一方で物件の立地は非常に良く、現時点で稼働率100%であることは魅力であると言えます。