AI査定と人力査定のポイント
ReTech(不動産テック)は、不動産とテクノロジーが融合したサービスを指し、具体的には不動産取引の利便性向上を目的とした、ビッグデータ、AI、VRを活用したサービスが考えられます。
ReTechを活用したAI査定サービスが増えており、管理人がせっせと調べて査定額を算出する”人力査定”と比較しました。
ココがポイント
ReTechを活用したAI査定は短時間で簡単に結果が得られる
複数のサービスを使って平均値を算出すると精度が上がる可能性あり
AI査定の結果を自分の調査(人力査定)と照らし合わせて利用すべき
メインステージ押上Ⅳの価格を査定してみた
CREAL 5号案件の概要
CREAL の5号案件は2019年1月21日募集開始、対象不動産は東京都墨田区のメインステージ押上Ⅳ、募集額1897万円の案件でした。
開始1分?くらいで満額となったようで、出資できなかった方も多いのではないでしょうか?
筆者も仕事の関係で元々諦めていましたが、案の定、全然間に合いませんでした。
出資はできませんでしたが、注目度が高かった案件なので、対象不動産となった「メインステージ押上Ⅳ」の価格をReTechの価格査定サービスと筆者の劣化気味の知能とで比較しました。
メインステージ押上Ⅳのスペック
メインステージ押上Ⅳ(参考:東急リバブル)
総戸数 :50戸
専有面積:23.20㎡~47.73㎡
間取り :ワンルーム、1K、2DL、2LDK
最寄駅 :半蔵門線・都営浅草線 押上駅 徒歩3分
CREAL の想定価格は 対象不動産取得価格(20,293,291円) + 消費税その他取得に要する諸経費等(1,376,709円)= 21,670,000円 となっています。
専有面積は23.64㎡なので、㎡査定単価は91.7万円となります。
AI査定と当サイト”人力査定”の比較
各種AI査定の結果は幅をもたせて査定額を表示したり、部屋の広さごとに査定額を表示したりと微妙な違いがあるため、すべて㎡単価に換算して比較しました。
階数が指定できる場合は対象物件の階数が明らかではないため、7階建ての中間に位置すると考えて4階と仮定しています。
また、複数の査定額が出ている場合はそれらの平均値を算出しました。
人力査定はメインステージ押上Ⅳの周辺マンション価格を調査し、駅からの距離、階数、築年数に応じて係数をかけた上で㎡単価を算出しています。
さらに、実際の売買の際には仲介業者にお願いすることになると思われますので、
仲介手数料=売買価格×3%+6万円
の手数料が発生します(個人間売買を想定して、消費税は考慮しません)。
そこで、
㎡平均単価×3%+(6÷23.64)
を加えたものを査定単価としてCREALの査定単価97.1万円と比較します。
ReTech査定と人力査定結果
単位:万円
IESIL ・・・㎡平均単価=97.5 → 査定単価=100.7
FANTAS check・・・㎡平均単価=88.6 → 査定単価=91.5
PRICE MAP ・・・㎡平均単価=74.5 → 査定単価=77.0
人力査定 ・・・㎡平均単価=88.5 → 査定単価=91.4
AI査定では上下に約24万円/㎡の差が出ました(ちなみに3つの査定単価の平均は89.7万円/㎡)。
CREALの査定単価に最も近かったのはFANTAS check、筆者の人力査定と最も近かったのも同じくFANTAS checkという結果になりました。
まとめ
現状ではAI査定はサービスによるばらつきが多いようですが、複数のサービスから得た結果を平均することでかなり精度が向上すると考えます。
人力査定は調査に2〜3時間を要したのに対してAI査定は数分で結果が得られるという時間メリットがかなりありました。
筆者としてはまだまだAIには負けたくないのですが、これからはAI査定も利用しながらファンド調査にあたりたいと考えています。