ファンドのポイント
ココがポイント
貸付先はOwnersBookファンド利用実績3回、4回目のパーキング担保案件
大手駐車場運営・管理会社が運営するため運営ノウハウは問題なし
ココに注意
現時点で更地のため、稼働実績なし
周辺にはTimesパーキングが既に3つ存在(計13台分)
OwnersBook募集概要
募集額 | 3億2010万円 |
募集開始日時 | 2019年1月17日 12:00 |
予定利回り | 4.5% |
運用期間 | 25ヶ月 |
最低投資額 | 1万円 |
貸付先1
物件 :東京都渋谷区代々木 パーキング
貸付額:3億2000万円
種別 :シニアローン
貸付先:設立3年超の不動産保有会社N
査定額:4億200万円 (3億2000万円はそのうち79.6%)
担保 :極度額3億2000万円の根抵当権(第一順位)を設定
備考 :現時点で建物なし(未稼働)
貸付先2
物件 :東京都文京区本郷 マンション一室
貸付額:10万円
種別 :メザニンローン
貸付先:設立3年超の総合不動産会社
査定額:2340万円 (10万円はそのうち0.43%)
担保 :極度額1000万円の根抵当権(第二順位)に対し既に550万円を貸付済み、1月に追加貸付20万円、さらに追加貸付10万円。
物件&立地調査
対象不動産は駐車場用地であり、東京都渋谷区代々木に存在し、小田急電鉄小田原線代々木八幡駅および東京メトロ千代田線代々木公園駅の後背地です。
2019年1月16日現在、土地上に建物は存在していないため、これから駐車場稼働に向けた準備が行われます。
貸付先の不動産会社と駐車場運営会社との間で土地全体の賃貸借契約を締結する予定です。
実際に駐車場の運営を行うのは大手駐車場運営・管理会社とのことなので運営のノウハウ等には不安がない点はメリットです。
一方、代々木八幡駅・代々木公園駅周辺の駐車場を調査すると、既にTimesパーキングが3つ・13台分存在しているため需要と供給のバランスが気になります。
この点について、OwnersBookでは「低層の店舗・事務所ビルや低層の共同住宅・戸建て住宅等が混在する商住混在地域に所在することから、商業・日常生活の両面で安定した駐車場需要が見込めるエリア」と評価しています。
ファンドの安全性
不動産保有会社Nとは4案件目となる「パーキング」担保案件で、過去3回のうち2回は期限前弁済されており、貸付先としての実績があります。
当該駐車場用地は自動車10台分とのことなので、担保評価のために対象不動産の土地面積を見積もりました。
国土交通省から「駐車場設計・施行指針について」という文書が通達されており、これに従って駐車場が設計されていると考えられます。
それによれば、普通乗用車1台分の”駐車ます”の大きさは長さ6.0m、幅員2.5mであり、駐車ますに車を止めるための後退・転回が行われる車路の幅員は7.0mとされています。
左右に5台ずつ、中央に車路を設けることができると仮定すると、当該駐車場用地は下図のように想定され、この土地の面積は237.5㎡と計算されます。
小田急電鉄小田原線代々木八幡駅・東京メトロ千代田線代々木公園駅近辺の土地価格を調査したところ、東京都渋谷区代々木4丁目の230.54㎡の土地が4億5800万円で売りに出ていました。
上記土地は収益ビル・マンションを想定した土地であるため単純に比較はできませんが本ファンドの予想土地面積237.5㎡の評価額4億200万円は妥当と思われます。
貸付額は評価額の79.6%であるため、元本割れのリスクは小さいと判断します。
また、月額賃料の坪単価は21900円/坪程度とのことで、本ファンドの予想土地面積237.5㎡の月額賃料収入は約158万円となり、表面利回りは査定額4億200万円に対して約4.7%、貸付額3億2000万円に対して5.9%と算出されます。
本ファンドの利回り4.5%、OwnersBookへの手数料、税金等を考えるとインカムゲインはあまり期待できないため、早期売却か他の金融機関からのリファイナンスを狙っている可能性があり、不動産保有会社Nの他のファンドのように期限前弁済が考えられます。
まとめ
大手駐車場運営会社が運営する駐車場であり、OwnersBookも「商業・日常生活の両面で安定した駐車場需要が見込めるエリア」と評価していることから土地活用は問題ないと考えます。
土地面積の予想から査定額は妥当、貸付先の不動産保有会社Nは時間貸しパーキング事業の実績が10件以上あり、オーナーズブックのファンド利用実績も複数回あることから元本割れのリスクは小さい案件と判断します。
ただし、年末に11億円の案件、昨日も1億円以上の案件(いずれも満額成立)ときて今回の3億円超の案件なので、さすがにクリック合戦にまではならないのではないかと推測します。