CREAL ココファン・ナーサリー旗の台ファンドのポイント
4月27日募集開始のCREAL新規ファンドは品川区旗の台に所在する保育園「ココファン・ナーサリー旗の台」が対象不動産です。
募集開始が延期になり、4月28日20:00からとなりました。(2020年4月27日更新)
CREALでは2019年2月、2020年2月にも保育園ファンドを組んだ実績があり、募集額が同程度であった2019年2月募集の「さくらさくみらい駒込」と本ファンドを比較しました。
また、保育園敷地の査定評価および保育園の魅力調査、周辺の新設保育園の調査を行いました。
ココファン・ナーサリー旗の台のポイント
- 募集額4億円超の大型案件なので、投資チャンスが大きい
- 劣後出資比率約20%であり元本の毀損リスクが小さく、利回りは6%と高い
- 最寄駅まで徒歩3分の好立地で、駅の利用者数も増加傾向である
- 品川区の保育園需要は高いと考えられ、運営者も教育分野での実績がある企業グループである
注意するポイント
- 最寄駅の東急荏原町駅は利用者がそれほど多くない
- 近隣に近年新設された保育園が複数ある
- 配当時期が特殊なため運用スケジュールを要確認
管理人の評価
募集概要の比較
2つのファンドの概要を比較しました(それぞれの保育園を旗の台と駒込と略します)。
旗の台 | 駒込 | |
募集額 | 4億6900万円 | 4億5000万円 |
ファンド総額 | 5億8600万円 | 5億円 |
優先:劣後 | 80:20 | 90:10 |
利回り | 6.0% | 4.0% |
運用期間 | 15ヶ月 | 12ヶ月 |
2つのファンドを比較すると、今回募集するココファン・ナーサリー旗の台は優先出資:劣後出資=80:20であることが注目です。
前回の保育園ファンド関町北保育園プロジェクトでも劣後出資比率が約20%でしたが、今回も20%になっており、元本毀損のリスクを低減していると言えます。
利回りは6.0%と駒込ファンドよりも高く設定され、運用期間が15ヶ月と駒込案件よりやや長くなっています(ただし配当の時期が通常のファンドと異なりますので会員情報の運用スケジュールを十分ご確認ください)。
対象不動産の比較
2つの保育園の立地・最寄駅の利用状況の調査、路線価からの対象不動産の土地価格の推定を行い、比較しました。
最寄駅の利用状況
最寄駅の利用状況や都内主要駅へのアクセスを調査しました。
旗の台 | 駒込 | |
最寄駅 | 東急 荏原町駅 | JR・東京メトロ 駒込駅 |
乗車人員数 | 8,611 | 69,200 ※1 |
5年前比増減 % | 103.5 | 106.9 |
東京駅へのアクセス | 30分(乗換1) | 20分(乗換0) |
品川駅へのアクセス | 15分(乗換1) | 35分(乗換0) |
新宿駅へのアクセス | 30分(乗換1)※2 | 20分(乗換0) |
※1 駒込駅はJRと東京メトロの利用者の合計 ※2 保育園から徒歩6分の旗の台駅を利用した場合
ココファン・ナーサリー旗の台の最寄駅は東急荏原町駅、さくらさくみらい駒込の最寄駅はJR・東京メトロ駒込駅です。
これらの駅の2017年の乗車人員数、5年前比利用者増加率、都内主要駅へのアクセスはいずれも駒込保育園の方が高評価になりました。
ただし、ココファン・ナーサリー旗の台は乗車人員数が2万人超(2017年)の東急旗の台駅へ徒歩6分、乗車人員1.6万人超(2018年)の都営地下鉄中延駅へも徒歩9分であるため複数の駅を利用できるメリットがあります。
土地の評価額
旗の台と駒込保育園の土地の相続税路線価を1.25倍した(0.8で割った)推定公示価格から土地の評価額を算出し、比較しました。
旗の台 | 駒込 | |
住所 | 品川区旗の台3-3-20 | 豊島区駒込3-21-4 |
敷地面積 ㎡ | 293.71 | 298.29 |
路線価 万円/㎡ | 51 | 42 ※ |
路線価×1.25 万円/㎡ | 63.75 | 52.5 |
推定土地価格(路線価) | 1億8724万円 | 1億5660万円 |
※ 道路に2面接している駒込物件は道路幅の広い方の路線価を採用
敷地面積はほとんど変わりませんが、路線価は約1.2倍旗の台の方が高く、旗の台の方が土地評価額は高いと考えられます。
建物の評価額
旗の台の延床面積:462.42㎡、駒込の延床面積:473.92㎡で大きな差はなく、構造も鉄骨造3階建と同じであることから、建築費用は大幅な差はないと考えます。
また、建物の目的も保育園で同じであることから内装等の仕様も類似していると思われます。
保育園の需要と魅力
保育園の需要とココファン・ナーサリー保育園の魅力を調査しました。
保育園の需要
2019年の品川区の就学前児童数は20,608人、そのうち保育サービス利用者数は11,126人(54.0%)、待機児童数は12人となっています。
5年前(2014年)に比べて就学前児童数は約2,700人増加、保育サービス利用者数は約3,600人増加、待機児童数は116人減少しています。
(東京都福祉保健局HPより https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/hoiku/hoikuriyoujyoukyou.html)
一方、待機児童数は減少していますが、いわゆる「隠れ待機児童」が品川区において2018年4月の段階で555人いるとされています。
(CREALマーケット情報より https://creal.jp/funds/markets/27)
品川区内の2020年4月認可保育園の入園状況を確認すると、最も入園倍率が高くなる1歳児は定員割れをした保育園はありませんでした。
(品川区HP 認可保育園等の入園状況(指数)について https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kodomo/kodomo-hoyou/kodomo-hoyou-hoikuen/hpg000028968.html)
以上の状況から、就学前児童数および保育サービス利用者数の増加、隠れ待機児童の存在から、保育園の需要は高いと考えられます。
ココファン・ナーサリー保育園の魅力
ココファン・ナーサリーを運営するのは株式会社学研ホールディングスのグループ会社である株式会社学研ココファン・ナーサリーです。
学研ホールディングスは創業1946年の東証一部上場企業で、教育分野においては児童書・学習参考書等の出版物発行、学研教室などで知られた有数の企業です。
企業としての知名度や教育分野での実績は保育園を選ぶ際にプラスに働くことは間違い無いでしょう。
近隣の新設保育園
近隣に2018年以降新設された保育園があるか、調査しました。
- みらいく旗の台(2018年4月開設)
- 空のはねこども園はたのだい(2019年4月開設)
- はぐはぐキッズ中延(2019年4月開設)
- アソシエ旗の台(2020年4月開設)
ここ数年以内に複数の保育園が新設されており、需要が高いとはいえ競争もありそうです。
まとめ
CREALから新規募集される保育園ファンド「ココファン・ナーサリー旗の台」を査定評価しました。
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ポイント
- 劣後出資比率20%、利回り6%は魅力大
- 保育園需要の高いエリアで、運営者は教育分野の有名企業
- 最寄駅の利用者は増加傾向も、利用者数は少ない
- 近隣にここ数年で新設された保育園が複数存在