南港 咲洲コスモスクエア地区の開発計画
大阪・関西万博の開催地である夢洲に隣接する咲洲コスモスクエア地区の複合一体開発は、大阪市などが保有していた4つの開発用地を売却し、複合的に開発するプロジェクトです。
コスモスクエア駅周辺開発計画の内容と現状を現地調査してまとめました。
出典:大阪市ホームページ 報道発表資料 https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/port/0000422577.html
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プロジェクト概要
大阪市などが保有していた咲洲コスモスクエア地区の複合一体開発用地をアーク不動産が購入し、分譲マンション、店舗、ホテルを開発する事業が計画されています。
売却された土地と用地の用途提案内容は以下のようになっており、提案価格は71億8000万円でした。
画地 | 地積(㎡) | 用途 | 着工時期 |
1 | 12,073 | 店舗、他(1階建・5棟) | 2023年度 |
2 | 12,444 | 店舗(2階建・3棟) | 2021年度 |
3 | 16,205 | 分譲住宅(15階建・2棟) | 着工済 |
4 | 3,432 | ホテル、店舗 | 2025年度 |
分譲マンションはすでに着工済みで2021年3月に竣工の予定であり、大阪・関西万博開催地に隣接することをアピールしていますが、それ以外の建物は着工時期から考えて万博よりもIR(統合型リゾート)誘致を意識しているようです。
地図と予想図
コスモスクエア駅周辺はこれまで東側エリアが開発されてきましだが、今回の計画は西側を開発するものです。
現状、西側エリアは特別養護老人ホーム、結婚式場、私立中学校くらいしかありません。
実は、西側エリアには2004年にオープンした「おおさかフードアウトレット」なる施設があり、有名なパン屋さん、入浴施設などが入居していたのですが、早々に撤退し、2013年には解体されています。
開発エリアの地図と画地
本プロジェクトの画地2が、「おおさかフードアウトレット」の跡地に相当します。
今回はホテルや他の商業施設も併せた複合開発なので成功を期待します。
完成予想図
画地の現在の様子
画地1から4までの現在の様子を現地調査を交えて説明します。
画地1
店舗やスポーツ施設が入る予定の画地1は私立金剛中学校を囲む様な形状をしています。
咲洲の西端に近く、その先の道路は夢洲に続くトンネル(夢咲トンネル)になっています。
現在は駐車場として利用されています。
画地2
おおさかフードアウトレット(2013年解体)の跡地付近で、現在は一部駐車場と更地になっています。
右側のビルは特別養護老人ホーム、奥のドーム状の建物はなにわの海の時空館跡地です。
なにわの海の時空館は2000年にオープンするも、入場者数が伸びず、こちらも2013年には閉鎖されています。
画地3
既に分譲マンション(大阪ベイレジデンス)の建設が始まっており、もっとも進捗している画地です。
コスモスクエア駅まで徒歩3分の好立地ですが、駅西側はまだ開発途上であるため、小売店など、生活利便施設が少ないことが問題です。
また、小中学校が近隣にないため、1km以上離れた南港ポートタウン内へ通学する必要があります。
本プロジェクトを含め、周辺の開発に期待です。
画地4
画地4には店舗、ホテルの複合ビルが建設される予定です。
画地4を東から西を向いて撮影しました。
中央に見えるのは森ノ宮医療大学、その奥に見える少し派手な建物はATC、右手の建物は大阪出入国在留管理局です。
北から南を向いて撮影しました。
正面奥の高いタワーは大阪府咲洲庁舎、現状は駐車場として利用されていました。
画地4はコスモスクエア駅のほぼ正面に位置する絶好の立地です。
今後、コスモスクエア駅から夢洲駅までOsaka Metroが延伸するため、夢洲にIR誘致が成功すれば需要が高まります。
また、JR桜島線の延伸計画が実現すれば、USJへのアクセスも可能になります。
もうひとつの案として京阪中之島線を夢洲まで延伸する計画があり、こちらは京都方面とのアクセスが向上します。
まとめ
コスモスクエア駅周辺の開発は一度2000年前後に行われていますが、お世辞にも成功したとは言えない結果でした。
今回の計画は複合一体開発であり、隣の夢洲で大阪・関西万博が開催され、IR誘致も進んでいることから相乗効果による発展が期待できます。
東京に比べて、大阪のベイエリアはイマイチパッとしないので、これを機にイメージを変えて欲しいと思います。