太陽光発電クラウドファンディングが人気
クラウドファンディングによる太陽光発電投資は非常に人気が高く、新しいファンドが組成されています。
Crowd Realty(クラウドリアルティ)から2020年7月20日に募集開始した太陽光発電プロジェクトはアクセス集中により一旦募集が中止される事態になるほどの注目ぶりでした。
本稿では人気の太陽光発電クラウドファンディングを扱う事業者とファンドの概略を紹介します。
併せて太陽光発電投資クラウドファンディングの将来を展望します。
>>太陽光発電クラウドファンディングのメリット・デメリット
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太陽光発電ファンドを扱う事業者
クラウドファンディングで太陽光発電投資ができる事業者を調査しました。
クラウドバンク
○ ポイント
- 最新のファンドは2020年7月22日に募集(利回り6.9%、運用期間6ヶ月)
- 太陽光発電ファンドの利回り5.7〜6.9%、運用期間6〜12ヶ月(2020年7月実績)
- 融資先の企業名は明らかではない場合あり
- 担保・保証あり(会員限定情報のため一般公開なし)
- 太陽光発電ファンドは1900件を超える組成実績がある
クラウドバンク の特徴は、なんといってもファンドの件数が桁違いに多いことで、1回の募集で10ファンド以上募集されることもあります。
利回りは5%後半〜6%後半と高いためかなり人気がありますが、同時に募集されるファンド数が多いため一瞬で満額成立とはならず、出資のチャンスが大きいというメリットもあります。
SBIソーシャルレンディング
○ ポイント
- 最新のファンドは2020年7月21日に募集(利回り7.0%、運用期間12ヶ月)
- 利回り6.0〜8.0%、運用期間10〜16ヶ月(直近5ファンドの実績)
- 貸付先の情報は会員限定情報として公開
- 担保あり(都市名、土地面積などは一般に公開)
- 太陽光発電ファンドは1件が10億円を超える募集額になることもある
SBIソーシャルレンディング の特徴は1ファンドあたりの募集金額が非常に大きいことです。
数億円〜10億を超える案件でも満額成立するのはSBIソーシャルレンディングの信頼性が高いこと、利回りに魅力があることが理由として挙げられます。
Crowd Realty(クラウドリアルティ)
○ ポイント
- 最新のファンドは2020年7月22日に募集(利回り5.5%、運用期間18ヶ月)
- Crowd Realtyとしては太陽光発電ファンドは初めて
- 貸付先の情報は一般公開(エレビスタ株式会社の孫会社)
- 保証あり(エレビスタ株式会社が連帯保証)
- 太陽光発電を行う土地の所在、土地面積、売電価格などは一般公開
Crowd Realty初めての太陽光発電ファンドは人気のあまり、アクセスが集中して当初の募集日を延期する事態になりました。
事業を行うのが中古太陽光発電所の取り扱い数No.1のSOL SELLを運営するエレビスタ株式会社であり、同社の連帯保証付きという点も評価されたものと予想します。
利回りがクラウドバンクやSBIソーシャルレンディングよりも低いですが、ファンドの詳細が一般公開されていることは、投資家にとって判断材料が多いというメリットがあります。
エレビスタ株式会社の代表取締役 石野氏は
“今後ももっと多くの方へ、太陽光発電所投資を通して、安定的なキャッシュフローや収益を維持しながら、SDGs(持続可能な開発目標)へ貢献できる手段を提供して参りたいと考えております”(Crowd Realty新着情報より)
とコメントしており、今後も太陽光発電ファンドの募集が期待されます。
その他
株式会社エコスタイルが運営するエコの輪も太陽光発電クラウドファンディングを運営していますが、2019年3月以降、新しいファンドが募集されていないため、今回はリストから外しました。
太陽光発電ファンドの魅力
管理人はこれまで不動産を対象としたクラウドファンディングのみに出資していましたが、この度初めてCrowd Realtyを通じて太陽光発電クラウドファンディングに出資しました。
太陽光発電投資クラウドファンディングには自ら太陽光発電所を所有することと比較して、次のようなメリットに魅力を感じています。
- 煩雑な手続きや設備の維持管理が不要
- 土地の購入はしないため、出口戦略は不要
- 利回りは低くなるが、不測の事態が起こっても立て直し可能な損失にとどまる
土地の活用という点では不動産投資と共通する部分もありますが、不動産投資クラウドファンディングより高い利回りに魅力もあります。
太陽光発電ファンドの将来
Crowd Realtyでクラウドファンディングを募集したエレビスタ社の石野社長がコメントしている通り、これからはSDGs(エスディージーズ、持続可能な開発目標)を意識した事業に注目が集まります。
持続可能な開発目標(SDGs)とは、2015年9月の国連サミットで採択された国際目標で、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すために17のゴール・169のターゲットを設定しています。
その17のゴールの一つが“目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」”というもので、太陽光発電に代表される再生可能なエネルギーへの投資を促進することが謳われています。
これからのクラウドファンディング界では、このようなテーマに注目する投資家が増えると予想します。
一方で、日本の太陽光発電投資はFIT価格の下落やFIT制度の抜本見直しによる自家消費義務化(低圧太陽光発電が対象)など、転換期に来ていると言えます。
制度が変化する中で管理人のような初心者が自ら発電所を所有するリスクは大きく、クラウドファンディングによる太陽光発電事業者への投資(融資)は有効な投資方法になると考えます。